舞台は星間航路が張り巡らされた宇宙です。
塩の産地「したらば宇宙港」を拠点に、
小さな貨物船ミオソティス号が資金繰りに苦しみながら仕事をこなしています。
船長のできるお、機関士のやるお、通信士のやらないお、
そして法的に人格を認められた思考体ミクが乗り組む一行は、整備費用の未払いで船体を差し押さえられかけ、
事実上断れない仕事を前金と引き換えに引き受けます。
依頼主の彩京商事の渡久地からは、
行方不明の輸送船が相次ぎ幽霊のような船籍信号まで観測される危険な暗礁宙域バルバドス星系を通る、
輸送任務を持ちかけられます。
淡々とした会話劇と乗組員たちの軽妙な掛け合いを軸に、
借金と裏事情を抱えたまま船出する様子が描かれます。
全五回、静かで丁寧な筆致で紡がれるSF群像劇です。